研究内容

研究テーマ 01

植物のCO2固定機能の高速評価手法の開発

責任者
担当者
担当メンバー

高効率な光合成測定手法の開発

(植物の)葉で行われる光合成は、大気中のCO2を固定し、植物のバイオマス生産や収量形成の基盤となるプロセスです。

イネの品種間には、葉の光合成能力に大きな差があることが知られています。しかし数多くの品種の光合成能力を、画一的な条件で効率よく評価し、高い光合成能力をもった品種を選抜して、育種素材とすることは容易ではありません。

私たちは、独自に開発した光合成速度高速測定装置MIC-100Xにさらなる改良を加えることで、従来手法と比較して10倍以上の測定効率を実現します。

これによって、これまで眠っていた高光合成品種の選抜や、未知の遺伝的メカニズムの発見につながると期待されます。


非破壊・高効率なバイオマス測定手法の開発

植物のバイオマス量は、CO2固定量の最も直接的な指標です。従来のバイオマス測定法は、植物体の刈取りと乾燥による重量測定が基本であり、これには多大な労力が必要でした。

私たちは、深層学習に基づく画像解析によって、デジタル画像やスマホ画像から瞬時にイネのバイオマスを推定する手法を開発中です。これをドローンと組み合わせることで、数百におよぶイネ品種のバイオマス(生育量)を1時間程度で、かつ非破壊に取得可能とすることを目指します。

研究テーマ 02

水稲作の温室効果ガス収支最適化技術の開発

責任者
担当者
担当メンバー

メタン放出量を削減する栽培方法の検討

水田からのメタン放出に影響する要因を明らかにするため、既存の報告データを基にしたシミュレーションを行い、メタン放出量に強く影響する環境要因の特定を進めます。中でも、水条件の管理は土壌の酸化還元状態を介してメタンの放出量に大きく影響すると考えられます。そこで水分条件の違いが、メタン放出量や、土壌の化学性、微生物の動態、メタン放出量、イネの生育にどのように影響するのかを、実験的に明らかにすることを目指します。そのうえで、メタン放出量の低減と高い生産性を両立するような栽培管理方法の確立を目指します。


メタン放出量が少なく、
かつ生産性が低下しにくい品種の確立

光合成やバイオマス生産性の選抜技術に基づき、高い生産性や収量を示す品種を多数選抜し、さらにそれを既存の品種と交雑するとともに、ゲノム情報を活用することで、新たな系統の作出を効率的に進めます。特に、メタン放出量の低減には土壌に常に水を張るのではなく、周期的に乾燥させる間断灌漑や、中干の延長が有効であることが知られています。しかしこれらの条件では、水不足によってイネの収量が低下するリスクがあります。私たちは、このような条件でも生産性や品質を高く維持する系統を優先的に選抜します。これによって、これまでにない高い生産性を持ちつつ、メタンの放出量を抑える栽培条件にも適した品種を確立することを目指します。


固定したCO2を炭素資源として
長期安定化させるための手法検討

固定したバイオマスは、何らかの有価物に変換し利用することで、初めてCO2の長期固定につながります。F-REIの関連課題との連携を通し、非可食部である稲わら・もみ殻をバイオ炭や燃料へ加工するうえでの技術的課題を洗い出します。また産業化にむけて、稲わらやもみ殻の低コストな回収技術についても検討を進めます。